名古屋から車で1時間弱と程近く、一歩足を踏み入れるだけで、なんだか懐かしい気持ちがこみ上げてくる足助の古い町並み。2月10日〜3月11日まで、この足助では春を呼ぶイベント『中馬のおひなさん』が開催されています。古くからこの地に伝わる土びなをメインに、約130軒にも及ぶ民家や商家の家々が手持ちのおひなさんを飾り、道行く人々を楽しませてくれるこのイベントに着物でお出かけしてきました。
ここにも、あそこにも、まさに町中がお雛様づくし!趣向を凝らした演出で思わず足を止めて見入ってしまう。そういえば我が家(実家)のお雛様たちは今どうしているのだろう?ふと幼い頃のエピソードを思い出し、思い出話に花が咲く。
玉田屋旅館
地蔵小路を入った所にある寿ゞ家の小路苑
本町区民館土びな会場
かねさん茶舗-お茶屋さんの奥にもシックなお雛様
ペン画家柄澤照文(からさわてるふみ)さんの作品。約40日間かけて「塩の道(岡崎〜足助〜飯田)」スケッチの旅に出るなど、江戸時代の先人の足跡や古い町並み、農山村風景を描き続けている。ほのぼのとしたタッチの中に、歴史を忠実に表現し、あるがままを未来へ語り継ごうとする熱い想いが伝わってきます。
マンリン小路
足助の町並みには路地が多い(新町)
旧稲橋銀行足助支店横の路地
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中馬と書いて『ちゅうま』と呼びます。江戸時代に、信州の馬稼ぎ人たちが作った同業者の組合のことで、「賃馬」、「中継馬」が語源と言われていますが、一般には、伊那街道(飯田街道)で物資の運搬に従事した全ての人々のことを指しています。この中馬と呼ばれる人たちが行き来したことから街道は別名『中馬街道』とも呼ばれています。そのため、街道の中継地点だった足助は、三河湾からの塩、信州からの米やたばこなどの山の産物が集まる交易都市として栄えました。
撮影協力:一般社団法人 おいでん・さんそん
着物モデル:酒井理多さん、佐治真紀さん
Photo by 佐伯朋美(呼吸の写真家)